header
☆ MeEDO-TTFの積層様式からの錯体の電子状態の予測

ReO4  対称性の低い平面的な分子が分子面を平行にして積み重なる時、同じ方向に分子が配列する(head-to-head)か、互い違いに並ぶ(head-to-tail)かの自由度がある。一般に、対称性の低い形状を持つTTF誘導体から得られる導電性錯体は、head-to-tail型、或いは、これとhead-to-head型の配列が混在したドナー層から構成される。従って、純粋にそれぞれの積層様式のみからなる物質を比較する事は困難であった。
 MeEDO-TTFの錯体を系統的に作製した結果、これらこれらふたつの積層様式のいずれかのみから構成されたドナー層を持つ錯体が得られてきた。
 これらを比較すると、head-to-head型積層様式のみから構成されるドナー層は、BF4錯体に見られる様に、2次元的な電子状態を持っていた。一方、head-to-tail型の重なり様式を持つ錯体は、擬1次元的、或いは、MeEDO-TTFの多量体中に電荷担体が局在化した電子状態を持つ事が判った。この事は、MeEDO-TTF錯体の電子状態が、分子間の重なり様式から予想できることを示唆している。

X.F. Shao, Y. Yoshida, Y. Nakano, H. Yamochi, M. Sakata, M. Maesato, A. Otsuka, G. Saito, S. Koshihara, Chem. Mater., 21(6), 1085-1095 (2009)
to_top